
紙のポイントカードをうまく活用できていない

LINEショップカードは聞いたことがあるけれど、使ったことはない

紙のポイントカードからLINEショップカードに切り替えるメリットはある?
LINEショップカードの導入を考えている方もいらっしゃるでしょう。LINEショップカードには便利な機能があり、お客様にとっても個人事業主にとってもさまざまなメリットがあります。
本記事では、LINEショップカードの作成方法や、特典を決める際のコツなどを詳しく解説します。LINEショップカードについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
ショップカードはLINE版ポイントカード・スタンプカード
LINEショップカードとは、紙のポイントカードをスマートフォンに置き換えた「LINE版ポイントカード・スタンプカード」のこと。個人事業主にとっても、お客様にとっても、便利な仕組みが揃っています。
LINEショップカードでは、お客様が来店するたびにポイントを付与し、一定数貯まったら特典をプレゼントできます。

これまでは、紙のポイントカードや、スタンプカードを印刷して配布するのが一般的で、開業時に印刷会社にデザインや発注を依頼する人も多くいました。
以前、紙のポイントカードを導入したものの、継続利用につながらず、諦めた経験がある人もいるのではないでしょうか?というのも、紙のポイントカードには、アナログならではのデメリットがあるからです。
紙のポイントカードが続かない3つの理由
では、紙のポイントカードが続かない3つの理由を見ていきましょう。
理由①お客様がカードを忘れる・なくす
紙のポイントカードが続かない最大の理由は、お客様がカードを持ってこないこと。財布の奥に埋もれたり、別のバッグに入れたまま忘れてしまったりと、物理的に手元にないケースが多くあります。

来店のたびに「カードを持ってくるのを忘れた」と言われると、店舗側はスタンプの後付けや再発行などの対応が必要になり、管理の手間が増えます。お客様も「ポイントを貯めている」という実感を失いやすく、リピート促進の効果も下がってしまうのです。
理由②店舗側の管理が手間・コストになる
紙のスタンプカードは、手軽に見えますが、店舗側には多くの手間とコストがかかります。
まず、スタンプカードを作る段階で、デザイン料や紙代、印刷代、スタンプ作成代といった準備コストが発生します。デザインには、スタンプ枠や利用規約欄のレイアウトが必要で、Canvaの有料テンプレートを購入する人も少なくありません。紙もチラシよりも厚手のものが必要なので、印刷やインク代もかさみます。
さらに、実際の運用でも、以下のようなさまざまな作業が発生します。
- 来店時に利用料金に応じてスタンプ数を計算して押す
- 特典交換後に新しいカードを用意する
- カード忘れや紛失防止のため、顧客のカードを店舗で預かって管理する
とくに一人で運営するサロンや教室では、管理作業が大きな負担になりがち。お客様のカードを探す手間や、ミス防止のためのチェック作業に追われ「結局やめてしまった」という声も少なくありません。
理由③情報がデータ化されずリピート訴求に活用しきれない
紙のポイントカードでは「誰がどのくらい来店しているのか」という情報をデータとして残せません。そのため、再来店率の分析や、来店後のLINEメッセージ配信によるフォローが難しくなります。
お客様がカードを持ち帰る場合、店舗側は現在のポイント数を把握できず、来店時以外に再来店を促す機会を逃します。たとえば「今月中の来店で〇〇をプレゼント」などのキャンペーンをしても、来店後にアプローチできないので、せっかくのチャンスを逃すのです。

一方、店舗でカードを預かる場合は、店舗側で顧客データを確認できますが、お客様自身が自分のポイント状況を把握できません。そのため「あと1回来れば特典!」という再来店のモチベーションがなく、どんなに訴求しても成約率が下がりやすいです。紙のポイントカードでは、常連客の動向が見える化されないため、次の販促施策にもつなげにくくなります。

LINEショップカードなら
LINEショップカードなら、紙のカードでは難しかった管理や通知、分析がすべてスマートフォン上で完結します。
店舗側が発行したポイント付与用のQRコードを、お客様が読み取るだけで、自動的にポイントが加算されます。スタンプを押す手間も、カードを預かる必要もありません。

また、LINE上でいつでも現在のポイント数や特典内容を確認できるため「あと〇ポイントで特典!」など、お客様のモチベーション維持にもつながります。
さらに、LINEショップカードは、店舗のLINE公式アカウントのリッチメニューからワンタップで表示でき、来店時にも迷わずアクセス可能です。有効期限が近づいた際は、LINEで通知できるので「期限切れで特典を逃した」という機会損失も防げます。
LINEショップカードは、単なるポイント管理にとどまらず、リピート促進やより良い顧客体験を提供できるのが強みです。
店舗はもちろんオンライン講座でも利用可能
LINEショップカードは、実店舗だけではなく、オンライン講座やレッスンでも活用できます。QRコードをお客様に読み取ってもらえばポイント付与ができるので、対面での来店がなくても運用可能です。たとえば、Zoomレッスンの終了後に、メッセージやメールなどでQRコードを共有すれば、オンライン完結でポイントを付与できます。
また「スマートフォンを忘れた」「その場でQRコードを読み取れなかった」という場合でも、後からURLやQRコードを送って対応できるのが便利な点です。講座やセミナー、カウンセリングなど、さまざまな業種で柔軟に運用できます。
LINEショップカードに切り替えるメリット【個人事業主視点で解説】
「LINEショップカードの仕組みは理解したけれど、具体的なメリットまではわからない」という方もいるでしょう。ここからは、個人事業主の視点で、LINEショップカードに切り替えるメリットを3つ解説します。
メリット❶お客様のスマホにカードが自動保存され忘れられない
LINEショップカードの大きな魅力は、一度発行すればお客様のLINEアプリ内に自動で保存されること。紙のポイントカードのように「家に忘れた」「どこに入れたかわからない」という心配がなく、来店のたびにスムーズにポイントを貯めてもらえます。
さらに、カードの残りスタンプ数や特典内容を、お客様自身がいつでもスマートフォンで確認できるため「あと1回の来店で特典ゲット!」と再来店を促す動機づけにもなります。

また、紙のスタンプカードに必要だった印刷コストや、スタンプ台などの備品も不要です。LINEショップカードは、LINE公式アカウントのすべてのプランで無料で利用できるため、個人事業主や小規模店舗でも気軽に導入できます。
メリット❷来店ごとにQRコードを読み取るだけでポイント付与できる
LINEショップカードは、来店時に簡単にポイントを付与できます。店舗側は、LINE公式アカウントのアプリを開き、QRコードを表示してお客様に読み取ってもらうだけ。

そうすると、自動でポイントが加算され、お客様のLINEショップカードに反映されます。押印やサインなどの手作業は一切不要です。一方、お客様は、リッチメニューなどからLINEショップカードを開いて、現在のポイント数や特典をいつでも確認できます。

紙のポイントカードのように、スタンプ台やペンを準備する必要もなく、スマートフォン1台であらゆる作業が完結します。美容サロンやスクール、オンライン講座など、業種を問わず、スムーズに運用できるのがLINEショップカードの強みです。
メリット❸特典の配布や利用状況が自動で反映される
LINEショップカードでは、スタンプがすべて貯まった時点で、お客様のLINE上に「特典チケット」が自動で表示されます。

特典を利用する際は、お客様がスマートフォンの画面を提示して、店舗側が「利用済み」に切り替えるだけ。紙のポイントカードのように「カードを回収して新しいものを渡す」という煩雑な手続きは不要です。
また、利用履歴も自動的に記録されるため「特典を使ったお客様にお礼メッセージを送る」「再来店キャンペーンを案内する」などの施策にも活かせます。特典配布からカードの管理まで、すべてデジタル上で完結するので、運用の効率が大幅にアップするのです。
スマホでできる!LINEショップカードの作り方【操作手順付き】
LINEショップカードは、スマートフォンで作成できます。ここでは作り方を解説します。
Step①:ショップカードメニューから新規作成
LINE公式アカウントから「ショップカード」をタップします。


「ショップカードを作成」をタップします。

Step②:カードのデザイン・ポイント数を設定する
「色」を選択します。

「色」を変えると、以下のように色が変わります。


ゴール設定で、特典をもらえるようになるまでに必要な「ゴールまでのポイント数」を決めます。

Step③:特典(割引・無料体験・限定メニューなど)を登録する
「ゴール特典」をタップします。


「特典チケット名」を設定します。


ご自身のサービスの利用規約に基づいて「利用ガイド」を入力します。


「特典チケット有効期限」を決めます。これは、ポイントがすべて貯まった後、特典をいつまで使えるようにするのかという期限です。


「特典画像」を設定します。

サンプル画像を活用しても良いでしょう。


「プレビュー」を押して、内容を確認します。


問題なければ「保存」をタップします。


「特典チケットを作成」と表示されるので、再度「保存」をタップします。


特典チケットを保存すると、「特典チケットを選択」画面に移ります。そこで改めて、先ほど作成したチケットを選択する必要があります。


1つのポイントカードに対して、ゴール到達前に、複数の特典をつけることも可能です。「ポイント特典を設定」から、ポイント数や特典内容を設定します。

たとえば「1ポイントで初回来店の特典をつける」といった使い方ができます。
Step④名前と背景画像を設定する
「カード名」を設定します。


「背景画像」を設定します。なお、背景画像は設定しなくても問題ありません。

Step⑤カードの有効期限を設定する
「カード有効期限」を設定します。公開後は設定を変更できないので、注意しましょう。




「有効期限の通知」を設定します。自分で管理しなくても、有効期限前に自動で通知できるのは、LINEショップカードを使う最大のメリットです。ただし、公開後は設定を変更できない点に注意しましょう。



Step⑥カード取得ボーナスを設定する
必要に応じて「カード取得ボーナス」を設定します。


必要に応じて「ポイント取得制限」を設定します。とくにスタッフを雇っている店舗の場合、二重でポイントを付与するのを防ぐのに有効です。




「利用ガイド」を入力します。特典の利用規約ではなく、LINEショップカード自体の利用規約を記載します。



Step⑦:カードを「公開」して利用開始!
すべて設定できたら「プレビュー」で最終チェックをしましょう。




プレビューで問題ないことが確認できたら「保存してカードを公開」をタップします。


公開の画面で、再度「カードを公開」をタップします。

効果を上げる!特典・ポイント設計のコツ
LINEショップカードの作り方がわかったところで、効果的な特典やポイント設計のコツを解説します。LINEショップカードは途中で設定を変えられないので、作成時によく考えて設定するのがポイントです。
「何回来店したら特典?」の最適な回数設計
LINEショップカードで特典を設定するにあたり、来店回数の設計は、リピート率に直結します。「回数が多すぎると、特典に到達前に離脱する」「少なすぎると利益が減る」ので、バランスを意識することが大切です。
業種ごとの目安は、以下のとおりです。
- 美容サロン:5回来店で特典
- ヨガ教室:10レッスン受講で特典
- カウンセリング:3回の継続セッションで特典
達成感とモチベーションを両立させるために、3〜6回程度を目安にしましょう。
LINEショップカードでは、スマートフォン上で特典ゲットまでのポイント数をお客様自身で確認できるため「あと〇回!」というモチベーションが生まれます。心理的効果により、自然な再来店の促進ができるのです。
このように、特典到達までの距離感を意識した回数設計が、リピート施策の成功ポイントです。
特典の内容を“おまけ”ではなく“再来店の動機”にする
特典を設定する際は、単なる“おまけ”ではなく、お客様の次の行動につながるものにすることがポイントです。たとえば、以下の3つのカテゴリで特典を考えると効果的です。
- 体験延長型:施術やレッスン時間の延長、ヨガ1レッスン無料など、サービス体験そのものを充実させる特典
- 紹介誘導型:友人紹介でポイント追加や特典付与など、自然に新規顧客を呼び込む特典
- 次回来店誘導型:次回予約時に使えるクーポンや限定メニューなど、再来店の動機になる特典
重要なのは、サービスの価値を下げずに、お客様が「また来たい」と思う特典を設計すること。特典は、なにも割引だけではありません。体験や紹介特典は、再来店の動機づけとして十分に効果があります。
ポイント有効期限の設定ミスに注意!
ポイントの有効期限の設定は、リピート施策の成否に直結する重要なポイントです。
有効期限を短く設定しすぎると「貯めても意味がない」とお客様に感じさせるリスクがあります。一方で、期限を設けない場合は、再来店のきっかけを作れず、リピート施策としての効果が薄れてしまいます。最適な期限の目安は「特典達成までの平均来店ペース+1〜2か月」と考えるとバランスが良いでしょう。
Toruyaの予約送信機能を使えば、期限が切れる前にお客様へ通知を送れます。手動で送信設定は必要ですが、予約送信することで、送信漏れを防げます(プレミアム会員のみの機能です)。ポイントの期限は「リピート促進のタイマー」。期限内にお客様の再来店を自然に促す仕掛けとして活用できます。
業種別のポイント規約例
ポイント規約の作成において重要なのは、有効期限とポイント数を使って、「ポイントが貯まるまでに、お客様に効果を実感してもらう」こと。この考え方をもとに、以下の2つの質問を意識しながら規約を作成すると、効果を実感しながらリピートしてくれるお客様を育てられます。
店時に感じていた悩みや欲求が、このまま通い続ければもっと解決すると感じるには、いつまでに何回の来店が必要?
必要な回数に少し余裕をもたせて、回数や期限を設定することがポイントです。
特典利用後に、またポイント集めをイチから再開したいと思える期間は?
効果を実感する期間と、モチベーションを維持できる期間のバランスが重要です。
業種ごとの具体例を見ていきましょう。
ポイント規約例❶痩身サロン
痩身サロンで、2か月以内に3回受ければ、ウエストが少し緩くなるケースです。
- カード有効期限:2か月
- 特典ポイント数:3ポイント
- 特典:部分痩身オプションとして1部位20%OFF
実感しはじめた部位以外で効果を実感すると、もう2か月通い続けるモチベーションになります。
ポイント規約例❷ヨガ教室
ヨガ教室で、月1レッスンに最低半年通えば、体型に変化を実感するケースです。
- カード有効期限:6か月
- 特典ポイント数:5ポイント
- 特典:器具レンタル1回無料
効果を実感しているものの、続けるハードルになる持ち物を減らすことで、忙しい日でも休まずに通える選択肢があることに気づいてもらえます。
ポイント規約例❸カウンセリング
カウンセリングで、自己開示までに最低3回はセッションが必要なケースです。
- カード有効期限:4か月
- 特典ポイント数:3ポイント
- 特典:セッション延長50%OFF
やっと本題に入る手前で利用が途絶えるお客様に対して、あと1回追加で来てもらうきっかけを作れます。
このように、ポイント規約は、来店する価値を感じてもらいながら、自然にリピートにつなげる仕組みとして考えてみましょう。
スマホでできる!ショップカードの運用と改善方法
リピート施策として有効なLINEショップカードですが、運用にあたって、いくつかの注意事項があります。ここからは、効果的な運用方法を解説します。
ポイント付与の準備
LINEショップカードにポイントを付与するにあたって、まずはQRコードを用意する必要があります。
もっとも基本的な設置方法が、受付や店頭へのQRコードの掲示です。来店時にお客様自身のスマートフォンで読み取ってもらうだけで、簡単にポイントを付与できます。

来店時にポイントを付与するケースは、店頭への掲示で問題ありませんが、利用金額に応じてスタンプ数を変える場合、誰でも自由に読み取れる場所への掲示はNG。店外からでも読み取れる位置に貼ると、不正利用や誤加算のリスクがあるため、スタッフの目が届く位置に設置するのが理想です。
実際にポイントを付与する際に、もっとも自然でトラブルが少ないのが、支払い完了後にQRコードを提示して読み取ってもらう方法です。「お支払いありがとうございます。ポイントをお付けしますね」と声をかけることで、スムーズに案内でき、スタッフやお客様双方にとってストレスのない運用ができます。
ショップカードの配布方法
LINEショップカードは、LINE内の導線を活用することで、よりスムーズにお客様に利用してもらえます。LINEショップカードの具体的な配布方法を2つご紹介します。
リッチメニューに設置
リッチメニューに設置すると、LINEのトーク画面からいつでもアクセス可能です。設定方法は、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご確認ください。
Toruyaを利用する場合は、LINE公式アプリでショップカードのURLを取得し、顧客リッチメニューのアクションに「リンク」として設定します。
ショップカードのURLを取得する際は、まず「ショップカード」をタップします。


リンクマークをタップすると、ショップカードのURLが取得(コピー)できます。


ショップカードの登録用のURLを、Toruyaのリッチメニューに設定します。

Toruyaのリッチメニューのアクションを設定する方法は、以下の記事で解説しています。
メッセージ配信内にリンク
来店後のお礼メッセージや次回予約を促すメッセージに、URLを掲載する方法もあります。Toruyaなら、事前設定をしておくと、メッセージを自動送信できます。「リマインド配信」から、予約の何日後にリマインド配信するのかを設定します。詳しい設定方法は、以下の記事をご確認ください。
このように、LINEショップカードであれば、どのような場所にQRコードを設置しても、LINEトーク内でポイント付与が完結します。スタッフやお客様の導線を意識して、自店舗での活用イメージを具体的に考えましょう。
利用履歴の確認方法
LINEショップカードの利用履歴の確認方法は、以下のとおりです。
ショップカードの「管理」にある「利用履歴」をタップします。



ポイントと特典の履歴、お客様の情報が見られます。また、お客様ごとのポイントと特典の履歴も確認可能です。



発行数の確認
発行数の確認の確認方法は、以下のとおりです。
「分析」をタップします。


タブをスライドして「ショップカード」を選びます。


「ショップカード」をタップします。


「カード・ポイント」をタップします。



ショップカード改善チェックリスト
LINEショップカードの効果を最大化するには、データを見て終わりにせず、数字を見て次につなげる改善の意識が欠かせません。ここでは、PDCAを回すための3つのチェック指標を紹介します。
Check①利用率
利用率は「カード発行数 ÷ 顧客数 × 100」で算出できます。発行したLINEショップカードのうち、実際にスタンプを貯めているお客様の割合です。

利用率が低い場合は「そもそもLINEショップカードの存在を知らない」ケースが考えられます。来店時の案内に加えて、本記事の「リッチメニューに設置」を参考にしながら、リッチメニューからいつでもアクセスできる導線を整えましょう。
Check②特典獲得率
特典獲得率は「特典獲得数 ÷ カード発行数 × 100」で算出できます。LINEショップカードを、最後まで使い切ったお客様の割合を示します。

特典獲得率が低い場合は、特典が単なる“おまけ”になっている可能性があります。本記事の「特典の内容を“おまけ”ではなく“再来店の動機”にする」を参考にしながら、お客様が感じている悩みや欲求と、特典内容がズレていないかを見直してみましょう。
Check③カード利用者リピート平均
カード利用者リピート平均は「カード利用者の来店回数合計 ÷ カード発行数」で算出できます。カードを発行したお客様のリピート率の平均回数がわかります。

カード利用者リピート平均が全顧客のリピート平均を下回っている場合、有効期限や特典内容、ポイント数など、複数の課題があると考えられます。
- 有効期限や特典内容、ポイント数などのバランスを、顧客の効果の実感に合わせて考え直す
- 特典内容や有効期限、割引率から変更してみる
- 必要なら新メニューを開発する
特典内容を見直す際は「「何回来店したら特典?」の最適な回数設計」を参考にしてみてください。
ショップカード改善の注意点
LINEショップカードを改善する際は、一度に複数の要素を変えないことが鉄則です。1つの要素を変更したら、有効期限の2周ぶんほど様子を見て、同じ3つの指標を再度チェックしてみてください。前回より少しでも改善していれば、改善策が有効だったといえます。
本当に効果のある改善策が打てると、結果は数字にハッキリと表れます。しかし、最適な改善策を見つけるには、小さな調整を何度も繰り返すことが重要です。
焦って頻繁にルールを変えると信頼を損ねる恐れがあります。LINEショップカードを「育てる」感覚で運用を続けることが、最終的にリピート率の底上げにつながります。
不正利用を防ぐ設定
LINEショップカードを導入する際に気をつけたいのが、不正利用です。たとえば「ポイント付与用のQRコードを他人に転送され、実際には来店していない人が読み取ってしまう」というケースがあります。
こうしたトラブルを防ぐには「店舗から300m以上離れた場所での読み取りを制限」設定を有効にしたQRコードを、印刷して使うのがおすすめです。とくに、金額によってポイント数を変えるのではなく「来店1回につき1ポイント」のLINEショップカードを設定している人に推奨する方法です。
設定方法は、以下のとおりです。
「ショップカード」をタップします。


「ポイント付与」の「QRコードを印刷」をタップします。


「印刷用QRコードを作成」をタップします。


「不正利用防止設定」の「位置情報による制限」をタップします。


「店舗から300m以上離れた場所での読み取りを制限」を選びます。ただし、この設定をするには店舗の位置情報の設定が必要です。
そのため、住所非公開で経営している場合は、店舗の位置情報を設定しましょう。LINE公式アカウントのプロフィール設定で、位置情報を非表示にしておけば、一般に公開されることはありません。

ほかにも、QRコードを定期的に差し替え、「ポイント取得制限」を活用すると、より安全です。



不正利用の防止は、店舗の信頼を守ることにもつながります。お客様にも安心して使ってもらえるよう、事前の設定をしっかりと整えておきましょう。
再来店促進メッセージを自動配信するコツ
LINEショップカードを配布しただけでは、リピート率は上がりません。ポイントを貯めてくれたお客様に「もう一度来たい」と思ってもらうには、自動で再来店を促すメッセージ配信が効果的です。
たとえば、来店の翌日に「昨日はご来店ありがとうございました。またお待ちしています!」といったお礼メッセージを送信する方法があります。Toruyaの予約ページを使えば、予約からX日後に自動メッセージを配信できます(再来店予約済みの方にも送られるので、ご注意ください)。
また、特典達成後には、「おめでとうございます!」というメッセージと一緒に、特典利用の予約リンクを送るのがおすすめです。Toruyaなら特典専用の予約ページを無料で作成できます。お客様は、URLをタップして日時を選ぶだけで、特典の利用予約が完了します。
特典の登録方法は「Step③:特典(割引・無料体験・限定メニューなど)を登録する」をご確認ください。
自動配信を組み込めば、手間をかけずに再来店を促進でき「送るのを忘れた」というミスもありません。Toruyaをうまく活用して、来店から次の予約までをスムーズにつなげましょう。
スマホではできない便利な設定
スマートフォンではできない便利な機能に、サービスメニューバーの表示/非表示の設定があります。

「ホーム」タブの「ツール」にある「ショップカード」をクリックし、表示される画面で「カード配布」をクリックします。


「カード配布」の「サービスメニューバー」の「サービスメニューバーの編集」をクリックします。


「表示する機能」の「ショップカード」のチェックボックスを外して「保存」をクリックします。


サービスメニューバーにショップカードが表示されなくなります。

トーク画面を狭くしたくないという方は、ショップカードを非表示にしてみてください。
LINEショップカードのメリットと注意点【個人事業主視点で解説】
さまざまな魅力のあるLINEショップカードについて、メリットと注意点を解説します。
メリット①:来店データを自動で蓄積できる
紙のスタンプカードでは「誰がどのくらい来ているのか」「常連さんの最終来店日はいつか」など、顧客ごとの来店状況を把握できないのが課題です。ですが、LINEショップカードなら来店回数や特典達成率、最終来店日などのデータが自動で蓄積・可視化されます。
スマートフォン上で簡易レポートを確認できるため、専門的な分析知識がなくても「今、どんなお客様が多いのか」「再来店が増えているか」がひと目でわかります。さらに、Toruyaと連携すれば「顧客ごとの来店履歴」までスマートフォンで一元管理が可能です。
これまで感覚で判断していたリピート施策も、データをもとに効果を検証できるようになります。紙のポイントカードでは測れなかった数字が可視化されることで「次の一手を考えやすい仕組み」が整うのです。
メリット②:お客様のスマホに残る“お店の名刺”になる
紙のスタンプカードは、財布の奥に埋もれたり、失くしたりするリスクがあります。しかし、LINEショップカードは、お客様のスマートフォン上に残るデジタル名刺。
お客様がLINEを開いたとき、トーク画面やリッチメニューにショップカードが表示されることで「また行こうかな」と、自然にお店を思い出す『リマインダー効果』を発揮します。さらに、LINEショップカード上で、残りスタンプ数や特典までの進捗がいつでも見られます。「あと1回来店すれば特典がもらえる!」という心理が働くので、再来店の促進にもつながるのです。
Toruyaと連携すれば、LINEショップカードと一緒に『予約・問い合わせ』の導線もLINE内に設置可能です。思い出した瞬間にそのまま予約できる導線があると、お客様は行動しやすくなります。
メリット③:一人経営でも運用がスマホで完結
紙のスタンプカードは、デザイン作成や印刷、押印、再発行など、手間と時間のかかる作業が多く発生します。しかし、LINEショップカードなら、あらゆる作業がスマートフォン1台で完結します。
LINE公式アプリを使って「新しいカードの作成」「QRコードの表示」「利用履歴の確認」が数タップで終わります。「スタッフがいない」「出張や移動で忙しい」という方も、出先や自宅からお客様のデータを確認でき、人手に頼らない運用が可能です。
さらに、Toruyaを組み合わせれば、LINEショップカード利用者へのお礼メッセージや、再来店の促進メッセージを自動配信できます。一人でお店を回しているオーナーでも、無理なくリピート対策ができる仕組みなのです。
デメリット①:LINEアプリ操作に慣れるまで時間がかかる
LINEショップカードをはじめて導入する際は「どこに設定項目があるかわからない」「公開までの手順が多くて迷う」と感じるかもしれません。
実際に、LINEショップカードは、
- LINE公式アカウントの管理画面を開く
- ポイント条件・特典・デザインを設定
- カードを公開してQRコードを発行
というような作業が発生するので、慣れるまでに時間がかかる場合があります。しかし、一度作成手順を覚えてしまえば、次回からは3分ほどで新しいカードを作れるようになります。
さらに、Toruyaを使えば、LINE公式画面よりも簡単にリッチメニューの設定が可能です。最初の設定には手間がかかりますが、一度形ができれば、その後の運用の手間をおさえられます。
デメリット②:特典内容次第でコストがかさむ
特典内容によっては、思わぬコスト増につながる場合があります。たとえば、割引や無料提供を特典に設定すると、利益率が下がるリスクも。
再来店を促す特典は、割引だけではありません。「特別メニューの提供」「限定クーポンや体験時間の延長」など、コストをおさえつつお客様の行動につなげる設計も可能です。
特典の目的は、再来店の動機づけです。特典単価は客単価の5〜10%程度を意識して、無理なく運用する方法を考えましょう。
さらに、Toruyaを活用すれば、特典利用者の予約状況やデータを確認できます。特典が効果的に活用されているかや、コストに見合うリピートが得られているかを定期的にチェックし、改善につなげられます。
よくある質問(FAQ)
LINEショップカードに関するよくある質問を解説します。
- Q複数のショップカードを同時に作れますか?
- A
いいえ。1アカウントにつき、作成と公開できるショップカードは1つまでです。
ただし、既存のカードを「公開停止」にすれば、新しいカードの作り直しができます。たとえば、季節限定キャンペーンや新メニュー導入時に、一時的にカード内容を差し替えられます。
しかし、複数のカードを同時に運用すると、同一顧客のポイントが分散してしまうほか「どのカードを使えばいいの?」と混乱する原因にもなります。結果的に、リピート率が下がるかもしれません。そのため、ショップカードを増やすよりも、リピート施策に効果的な1枚をしっかり設計することが重要です。
なお、リクエストが多ければ、Toruyaで複数作れるポイントカード機能として開発できるかもしれません。
- Q特典内容を後から変更することはできますか?
- A
はい。LINEショップカードの有効期限以外の項目は、公開後でも変更可能です。
ただし、既にユーザーが獲得されたカード、設定された特典チケット、獲得済みの特典チケットについては、公開後の変更はできません。どうしても修正したい場合は、カードを「公開停止」にしてから、再度ショップカードを作成する必要があります。
スマホ1台で「リピーターづくり」を自動化しよう
LINEショップカードを利用すれば、スマートフォン1台で、リピーター獲得の自動化は可能です。
LINEショップカード導入の3ステップまとめ
LINEショップカードを導入する流れは、大きく3つのステップです。
STEP1:目的と特典を決める
リピートを促す特典内容や来店回数を設計します。顧客が「次も来たい」と思える特典と回数を考えることがポイントです。
STEP2:スマートフォンでカードを作成・公開する
LINE公式アプリからLINEショップカードを作成し、QRコードを発行、リッチメニューに掲載します。操作はスマートフォン1台で完結するので、誰でも簡単に導入可能です。
STEP3:運用&改善
利用状況を確認し、特典やメッセージ内容を見直します。数字を見ながら少しずつ改善すれば、効果的なリピート施策が見つかります。
まずは小さくはじめて、少しずつ改善しながら運用していくことが大切です。
個人事業主でも「ファン顧客」を増やせる時代
LINEショップカードは、単なるポイント制度ではなく、“ファン顧客”を育てるためのツールです。ここでいう“ファン顧客”とは「あなたのお店やサービスを選び続けてくれるお客様」。
一人経営でも、“ファン顧客”は育てられます。LINEショップカードはお客様のスマートフォンに常に残るため、来店を思い出してもらうきっかけに。さらに、来店後や特典達成時の自動メッセージ配信で、関係性を深められます。特典を単なる割引ではなく、サービス体験や次回の行動につながる内容に設定することで、お客様のリピート意欲を自然に高められるのです。
数字や複雑な分析に頼らなくても、お客様のことを思ったリピート戦略で、個人事業主でも確実にファンを増やせます。
ToruyaならLINEショップカードと集客導線を一元管理
ここまで紹介したLINEショップカードの便利な機能は、Toruyaを使えばさらに楽に運用できます。Toruyaでは、以下のことが実現します。
- 来店後の自動メッセージ配信
- リッチメニューや予約ページと連動した導線設計
- 顧客データ・売上管理をまとめて可視化
LINEショップカードの運用がスマートフォン1台で完結するので、一人経営でも無理なく管理できます。便利なLINEショップカードを、さらに効果的に活用するために「LINEショップカード+顧客管理+集客導線」のツールとして、ぜひToruyaをご活用ください。